2008年07月01日

MRC息切れスケール

 呼吸不全の程度を表すFletcher,Hugh-Jones分類が日本では有名だが、実は国際的にはMRC息切れスケール(Medical Reseach Council dyspnea scale)を用いることが多い。
 以下にその「日本版」について述べる。

Grade0:息切れを感じない
Grade1:強い労作で息切れを感じる
Grade2:平地を急ぎ足で移動する、または緩やかな坂を歩いて登る時に息切れを感じる。
Grade3:平地歩行でも同年齢の人より歩くのが遅い、または自分のペースで平地歩行していても、息継ぎのため休む。
Grade4:約100ヤード(91.4m)歩行した後息継ぎのため休む、または数分間平地歩行した後息継ぎのため休む。
Grade5:息切れがひどくて外出が出来ない、または衣服の着脱でも息切れがする。

 この場合、100ヤードという距離は参考程度であることに注意。また、欧米で使われている同じ息切れスケール(ATS/ERS版)はGrade0〜4の5段階である。
 ところで、このスケールの内容を見ていて何か気がつかないだろうか?そう、Fletcher,Hugh-Jones分類と似ているのである。それもそのはず、Fletcher,Hugh-Jones分類を作成したFletcher先生は英国MRC委員会の委員長なのである。また、Fletcher,Hugh-Jones分類はヒュー・ジョーンズ分類といわれる事が多いが、Fletcherが作成したのをHugh-Jonesが紹介したことが始まりなので、正確にはFletcher,Hugh-Jones分類と呼ぶのが正しいし、ふたりは別々の人物なので、Fletcher-Hugh-Jones分類ではなく、Fletcher,Hugh-Jones分類と書くべきである。
posted by pt_onuki at 02:18| 千葉 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 運動療法学(呼吸・循環・代謝系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おひさしぶりです
2人の名前だったんですね。
知りませんでした。そういえば
様々な分類のしかたに名前がついてますが
その後ろにある物語なんかの説明があると
イメージが膨らみますよね

これはシリーズ物として面白いのでは?
Posted by sinnziro at 2008年07月14日 17:19
sinnziroさん、いつもコメントありがとうございます。

意外と知られていませんが、そうなんですね。
よく索引で「ヒュージョーンズ」で探して見つからなかったりしますが、「フレッチャー」が抜けている、「H」でなく「F」のところを探さないと見つからなかったりするわけです。

いろんな医学者・科学者の名前と業績を覚えたり、
統計学者の名前と統計手法を関連させて覚えたりと、こういうのは個人的に楽しくて好きですね。

ということで、こんな本を今、読んでいます。
「まんが 医学の歴史」茨木保著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4260005731/ref=ord_cart_shr?_encoding=UTF8&m=AN1VRQENFRJN5
Posted by おぬき at 2008年07月15日 00:00
時期はずれのコメントで済みません。

呼吸不全の分類ではなく呼吸困難のための評価である点、すなわち呼吸不全と呼吸困難は別概念であることを意識していただければと思いました。
Posted by 呼吸器内科医 at 2011年09月07日 12:19
呼吸器内科医さま、コメントありがとうございます。

仰る通りですね。
呼吸に関する医学的知識に関しても、一昔前と比べ、随分と詳細な部分にまで言及するようになってきていますね。
理学療法の世界でも、呼吸器疾患をはじめ内部障害については臨床上も接する機会が飛躍的に増えておりますし、教育の立場からもそれに基づいてしっかり教えなくてはと気を引き締めています。
Posted by おぬき at 2011年09月08日 05:16
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/101907855
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック