2013年08月01日

つぶやき#114 50周年その2

 さて、今回も前回の続きで業界の変遷について話をしよう。
 今や日本のPT数も10万人を超え、理学療法士と聞いても「何それ」と言われることは少なくなった。とても素晴らしいことである。しかしそれではそれだけ名前が知られるようになった職業であるが、どれだけの人がその仕事の内容を理解してくれているのであろう。一部の人を除いて、未だに按摩マッサージ師と混同している人も少なくないのではないだろうか。
 また、PTの質の低下が言われて久しいが、私が学生の頃のカリキュラムだと実習にかける時間が今の倍以上あったし、卒業時の目標として「一人前の理学療法士として患者が診れる」というのがあった。現在はカリキュラムの度重なる変更で実習にかける時間も減少し、コアカリにさえ一人前という記述は削除されてしまった。急激にPT数を増やし続けたので仕方ない部分もあるが、この辺りが質の低下を言われる所以であるように思う。理学療法教育に関わって10年以上経って思うことであるが、今の学生は、理学療法の勉強についてとても詳しくなったが苦労をしなくなったと思う。豊富な教科書やわかりやすい参考書が世にあふれていることからもおわかりいただけるであろう。
 同時に、理学療法士の仕事の内容についてはまだまだ認知不足である。マッサージ師との違いを理解してもらえることもそうだが、我々自身が疾病予防と介護予防との認識の差をきちんと理解し、患者に説明できなくてはいけない。このことを区別して仕事をしているPTがどれだけいるであろうか? 超高齢社会を迎えるにあたって、この「健康」の意味の乖離に目を向けて正しく啓発できる職種でありたいものである。
 最後に、これもよく言われることであるが、我々PTは卒業後もまだまだ社会人として未熟であり、他職種連携などで中心になるには力不足であるように思う。急激に人口を増やし続けたが故に、教育できるマンパワーが追いついておらず、全体として非常に若い団体になってしまっている。PT協会の統計資料を見ればわかるが、PTの平均年齢が若く、20歳代と30歳代前半で大多数を占めていることからも明らかであろう。この若い故の宿命と言ってしまえばそれまでだが、私は若いからこその進化、脱皮を図れる潜在能力は他の職業に比べれば大いに持っていると思うのである。私自身もまだしばらくは引退するには早い。もうしばらくはあがいてみようと思っている。これらのことを踏まえ、人材の育成ができるよう力を尽くしたい。
 50周年の節目を迎えるにあたり、そんなことを考える日々である。
posted by pt_onuki at 05:14| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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