2015年04月01日

4つのヘルプ

 地域理学療法の考え方に限らないが、よく「居場所作り」という言葉が用いられる。いわゆるICFで言うところの「参加」である。
 非常に大切な視点であるし、PTの学生などは臨床実習で対象者と関わる上で必要となる知識でもあろう。
 しかしもう一歩踏みこんで考えてみたい。この国の最近の住みにくさ・生きづらさというのはどこから出てきているであろう。生活を便利にするという題目の下に、管理しやすい社会を築き上げてしまった故の弊害とは言えないだろうか?
 これも地域理学療法でよく使われるタームになるが「補完性原理としての四つのヘルプ」がある。「自助」「互助」「共助」「公助」ということであるが、自助がprivateという意味で参加における意欲が挙げられる。また公助はPublicで弱者保護や権利擁護の考え方を表す。これに挟まれる「共助」はcommonであり、ここで必要なのは管理でなく「自治」の考え方である。また「互助」は言葉の通り助け合いでcooperationである。ここでよく考えなくてはいけないことは、我が国では、便利や楽を追求するあまり、互助や共助が公助に吸収されてしまい、身動きが取れなくなってきているということであろうか。外国ではコモン・スペースなどのように広場などで人々が集う「居場所」が(知らず知らずのうちに)普通に存在するが、日本では村社会の崩壊でそれも徐々に消えてなくなりつつある。
 大切なのは、他者が居場所作りをやってあげたのでは意味がないことである。きっかけは手伝うにせよあくまでも自治の精神・助け合いの精神で、中から居場所を作れるような気運を高めること、そして対象者同士の人間関係能力の再構築が必要とされていることだと思うのである。
 大きく変貌したこの国の他人行儀な文化を変えていくのは容易ではない。しかし高齢社会は待ったなしで人口減少を迫ってくることに真摯に向き合わなくてはいけない。互助や共助の考え方を根付かせ、社会を根本から変えていく。それも我々理学療法士の仕事の一つだと思っている。
posted by pt_onuki at 05:16| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地域理学療法学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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