2016年01月01日

つぶやき#138 2016年頭所感

 さて2016年の年頭所感である。この理学療法の業界も数年前とずいぶん様変わりしてきている。大きな変化として理学療法士の働き方が二極化してきていることが挙げられると思う。昔ながらの病院の中に軸足をしっかり置いて働くPTと病院を飛び出して従来の保険診療の枠を超えて働くPTである。PTの数の爆発的な増加を考えると後者は必然であり、後者こそもっと増えてもらわなくてはいけないことのように思える。しかし、である。昨年これに関して象徴的な出来事があった。我が日本理学療法士協会が保険外診療を行おうとしているPTに対して自重を促す通達を出したのである(2015.1.30発表の「急告 保険適用外の理学療法士活動に関する本会の見解」)。同時に開業をあおるような風潮やそのためのセミナーなどへの注意を促すアナウンスもされた。理学療法士の数も10万人を超え、決してその行動を無視できる数ではなくなってきたし、不祥事や事件を起こしPTが新聞沙汰になる場面も格段に増えたが故に当然であろう。良くも悪くも時代は少子高齢化の波にのまれており、その中でこれだけ若い人材が増えていく職業もこの国では他に類を見ない。そう考えると先の二極化も当たり前と言えるかもしれない。
 私は、この二極化のどちらかが悪いというようなことを言いたいのではない。ある意味、前者の病院内にとどまるPTばかりではない今の時代は健全といえるかもしれない。保険診療に守られた中で活動をする時代は終わっていることを自覚しなければならない。しかし同時に、それなら保険外診療に目を向けた発展的、先進的な志向が育っているのかというとそうは思えないところが危ういと言うことを言いたいのである。今の趨勢はそういう建設的な志向でなく、単に経済的な理由で病院を飛び出す傾向が強いことに懸念を感じる。それは開業している友人や知人の生活を見ればよくわかる。開業は理念をしっかり持たないとこの業界では長く続けることはできないであろう。他の業界と違ってこの世界はそれほど特殊な業界でもある。
 急激に若い人材が増えたから仕方のない部分があるのかもしれないが、今のこの業界は理念なくドグマが充ち満ちているように見える。だからこそあの通達があったと思うのである。団体が大きくなればなるほど、自浄努力やセルフコントロールが大切なことは言うまでもない。我が団体はそういう意味でいま、正念場と言えるのではないか。自分も年齢的にこの職業の嚆矢と言える立場にあるものの一人として、対岸の火事を決め込むようなことではいけないと思っている。自分に何ができるか日々考えて精進しなければ。今年2016年はその答えを見つける一年になりそうな気がしている。
posted by pt_onuki at 09:21| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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