2007年11月03日

ものがたり#14 1型糖尿病

 糖尿病というと、一般的には「2型糖尿病」を思い浮かべるだろう。いわゆる、NIDDM(インスリン非依存型糖尿病)のほうである。
 これに対し、今回の「ものがたり」はIDDM(インスリン依存型糖尿病)の患者さんである。
 1型糖尿病は、2型に比べ、非常に稀な疾患である。これは1型が珍しいと言うよりは、2型が国民病とも言える生活習慣病の範疇にはいるためそのようにみえるというわけであるが、疫学的には1型は2型の5%程度と言われている。2型が740万人として、1型は約30-40万人というわけであるが、もう少しイメージしやすく説明すると糖尿病の専門医がいる病院でも、1型の患者さんは数えるほどしか来ないという現状であろうか。
 一般的に1型は若年性の発症が多く、またインスリン注射によっても血糖のコントロールが難しい例が多い。自分の担当した思春期の女性患者もそのようにコントロールが難しい1型糖尿病であった。
 痩せぎすで、色白の和風美人という感じの女性だったが、非常に血糖の変動が激しく、低血糖で救急車で運ばれることも多かった。その度にCSII(持続的皮下インスリン注入療法)を繰り返している姿が痛々しかった。
 さらには、若くして網膜症が進行し、レーザー治療も繰り返していたし、腎臓機能もあまりよくなかったようである。20代前半でこうなのであるから、今はどうしているだろう。たしかスポーツジムの水泳の指導員をやっているという話を随分前、風の便りに聞いたのだが・・・。転職で教員になったため、その後の経過を診られなかったのが心残りである。
 また、自分の高校の時の担任の教師も1型糖尿病で若くして亡くなってしまった。自分が高校を卒業して数年経った頃のことである。ご焼香に行った時の若かりし遺影が忘れられない。
 今回はまとまりのないブログになってしまったが、1型糖尿病の怖さ、難しさ、しかし我々医療職はそういうことを理解した上で、全力で対象者のQOLの改善に邁進しなくてはならない。理学療法士は2型糖尿病への運動療法アプローチでさえまだ十分に日常診療のなかで行えているとは言えないが、今後「メタボリックシンドローム」などへの予防的アプローチが重要と言われる中、これらに対して無関心ではいられないことを強調したい。

posted by pt_onuki at 04:47| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ものがたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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